本日は、「キッシンジャーと世界経済」について学びなおし。
ヘンリー・キッシンジャーという人物をご存知でしょうか?
- ドイツ出身のユダヤ系ドイツ人
- 第二次世界大戦中、アメリカに帰化
- 国際政治学者として、ニクソン政権・フォード政権期の国家安全保障問題担当大統領補佐官、国務長官を歴任
ネルソン・ロックフェラーをはじめとしたロックフェラー家と繋がりが深く、さらにはニクソン政権下ではニクソン・ショックを経験。生涯を通じていろんな国を渡り歩き、戦争解決と経済安定のために奔走した人物です。そのため、世界的に顔が広く人脈も豊富。
アメリカの国務長官なら顔が広いのは当然と思われるかもしれませんが、冷戦中にキーパーソンとして活躍したことは歴史的にとても大きい功績であり、現在も世界に大きな影響力を与え続けています。
これまで私がブログでお伝えし続けている通り、今の社会・経済は第二次世界大戦をベースに構築されています。そのため、キッシンジャーは現職を退任した今でもなお重要人物であることに変わりはなく、むしろ今現在、表舞台で発言できる要人の中でもっとも「注目すべき人物」と言っても過言ではありません。
【彼の発言は、そのまま次の社会・経済への伏線となり得るのです】
そんなキッシンジャー、最近またニュースになっていますね!
ロシア侵攻で交渉呼びかけるも、ウクライナは却下
日本においては、2022年10月26日に岸田首相と会談を行っているキッシンジャー。
99歳になってもその影響力は健在で、それどころか新しい社会・経済を迎える時代の過渡期を前にして、2022年再び表に登場してきた感があります。
今月18日には、米国・雑誌「スペクテイター」に寄稿。そこでロシア・ウクライナに対して「既に達成された戦略的変化を土台に、交渉による平和の実現に向けた新しい構造に統合する時期が近づいている」と指摘したそうです。
これはどういう意味かというと、端的な言い方をしてしまえば「もう世界は“次”へ行くから、ここら辺で終わりにしておきなさいよ」というオペレーション。
その前後に何があったのかを見れば、それは明確です。
11月15日、ポーランドにミサイルが落下。このミサイルはロシア製であるものの、ロシアが発射した可能性は低く、ウクライナが発した可能性が高いと言われています。
この辺りから、アメリカは今まで「何があってもウクライナが正義」という態度から路線変更。ウクライナが迷走している空気を米国メディアへ流すようになります。
そして、キッシンジャーの12月18日の発言を経て、ロシア・プーチン氏はさっそく25日に「交渉の用意がある」と表明しました。一方のウクライナ・ゼレンスキー氏はこれを拒否。
この11~12月中、明らかにウクライナが世界から孤立しているイメージですよね。キッシンジャーの提案を突っぱねたことで、その色はさらに濃いものになるでしょう。
さらには、キッシンジャーの発言の翌日、ガーナがデフォルト。その翌日、日銀も金融緩和縮小へ動き出しました。
ロシア・ウクライナだけではなく、世界全体が何となくキッシンジャーの一声を境に大きく動いているのがお分かりいただけるでしょうか?
次の発言が気になるけれど…
キッシンジャーはすでに現役を退いている身で、表立って発言する機会は決して多くありません。しかも来年100歳ということで、いつ何があってもおかしくない状態です。
そんな彼が今回、ウクライナ侵略についてわざわざコメントしたのですから、その発言が与える世界への影響力は絶大だったという訳です。
旧体制(資本主義経済)のレジェンドとして、その役割を最後の最後まで全うしようとしている気がします。
今後の発言、もしあれば注目してみてください。
では、また次回!