リスク分散させすぎ問題

person putting coin in a piggy bank

本日は、「リスク分散させすぎ問題」についてご提案です。

今現在(11月14日12時頃)の日経平均株価は38,700円前後、為替はドル円で155円ほど。まだまだうだつが上がりません。

そんな中でも、NISAやiDeCoへの資金流入は勢いがすさまじく、投資信託は2024年は9月末時点で過去最高ペースだとか。

参照:投信への資金流入、1〜9月は過去最高ペース 新NISAで勢い|日経新聞

給料が上がらないとか円安で物価が高いという声の一方、相当な人が積極的に投資をおこなっていると見えます。

しかし、新NISAは始まったばかり。大きなリターンを享受している人は少ないでしょう。少額投資をコツコツしているなら、なおさらです。

資産、分けすぎでは?

そこで最近、思っていることがあるのですが、みなさん方々に資産を分けすぎではありませんか?

NISA、確定拠出型年金、終身保険、学資保険、年金保険、共済、国債、社債、定期預金……。

世の中には「貯蓄」の方法が多数ありすぎます。

極端な話、資産を大きく増やしたいなら、1か所に大金を投じて複利をごっそり取るのがもっとも効果的です。

しかし、やれ月1万のNISA、月1万のiDeCo、月1万の貯蓄型保険、月1万の共済……。

これでは確かにリスク分散にはなりますが、それぞれの複利の効果が小さすぎます。

せっかくまとまったお金があって毎月いくらか貯蓄に回す余力があるのに、同じ金額を投じても分散させ過ぎては1か所に投資している人と比べて増え方が小さく遅くなってしまうのです。

若い人はNISA一択でよい?

投資や貯蓄の正解は自分で探すものですから好きな方法でよいのですが、もしもリスク分散させすぎて「ちっとも増えない」というジレンマがあるなら、家計の見直しついでに資産の流入先を絞ってみることをおすすめします。

細かいところをチェックすると、保険や積立などで案外無駄が多いものです。

特に若い人が確定拠出型年金に資産を入れすぎてしまうと、税制優遇されるメリットはあるものの60代まで資産ロックが掛かってしまいます。せっかく長期投資ができるなら若いうちはNISAに全振りして、自由に売買しながら資産を大きく増やすという選択肢もアリだと思います。

確定拠出型年金は今のところ最高年額80万円ほどできるので、NISA枠から余ったり老後の備えを見据える年代になったタイミングでMAXに掛ければよいのではないでしょうか?

また、家族がいる場合、強いこだわりがないなら名義ごとに口座をわけることも「リスク分散しすぎ」の一種と言えるかもしれません。それよりも、家族全体の教育費・高額医療費・旅費・冠婚葬祭費などとして種類ごと1か所にまとめて低リスクな金融商品などにしておけば、投資信託でも1週間ほどで解約できますから特に大きな不便は生じないと思うのです。

貯蓄は、「使う年代」別に分散してみて!

今回の結論、資産は分散すればするほどリスクを減らす反面、複利効果も減らします。

「攻めより守り」な人はとことんリスク分散していただくとして、「守りより攻め(=もっと資産を増やしたい!)」なら資産の流入先を2~3か所くらいにとことん絞ってみましょう。

その際、目的別に資産を分けるのもいいのですが、可能であれば「使う年代別」に分けてみてください。例えばこんな感じです。

  • 1か月以内:急な出費に備えて【現金5万円】
  • 1年後:来年の保険料・納税に備えて【定期預金100万円】
  • 10年先:教育費・住宅購入・高額医療に備えて【NISAでMAX1,800万円】
    ——-NISA枠を超えて余力があれば(または必要に応じて)——-
  • 30年先:確定拠出型年金(iDeCo、企業型DC)、共済、保険【上限まで】

あくまでも参考程度ではありますが、「毎月貯蓄している割には増えないな~」と思っている方は一度お試しあれ!

では、また次回!

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