【特別インタビュー】「『学校へ行かない』という選択肢がある」よっぴーさんにコロナ禍の子育ての不安をぶつけたら、単純明快な答えにハッとした!(前編)

本日は、AI-am・吉田晃子さんこと「よっぴーさん」に話を聞く機会をいただいて【どんな時代になっても変わらない、親子の在り方】について、学びなおし。

新型コロナウイルスによる突然の休校・子どもたちの精神不安・親の教育に対する不安・学校や集団社会への苦手意識……今後、様々な子育て(教育)のハードルが懸念される中で、親は子どもとどう向き合っていけばいいのでしょうか?

私自身が抱える悩みや不安を思い切ってぶつけてみたら、よっぴーさんはとても明るく丁寧にハツラツとした笑顔で答えてくれましたよ!

よっぴーさんとは何者?

私がよっぴーさんの存在を知ったのは、第一子の妊娠中。当時は、教育ママになる気満々で、知育本や子育てハウツー本を読み漁っていました。

ある日ふとAmazonで目に留まって、買って読んだのがよっぴーさん親子の初の著書『小さな天才の育て方・育ち方-小・中・高に通わず大学へ行った話 』だったのです。

まず、小・中・高と12年間も学校に通わないって、驚きでしょ!? しかも、娘の星山海琳さん(以下、まりんさん)は、そこから17歳で大学へ行く決意をし、6か月という短期間の猛勉強で合格しちゃったんですよ!
また、公的な学校以外にも大人になる力が培える「オルタナティブスクール 」という前衛的な学びの場があることを、私は著書を通して初めて知ることができました。

それから5年後の、2020年12月……。

既存の教育や学校現場にいよいよ強い不安を感じた私は、降って沸いたように当時読んだよっぴーさん・まりんさんの言葉を思い出したのです。

大切なのは、子どもがどういう環境で、どう育つかです。それはつまり、親と子の関係性ということにほかなりません。

小さな天才の育て方・育ち方-小・中・高に通わず大学へ行った話 』より

今こそ、親子の関係性を見直す時期だと思いました。

私はいてもたってもいられなくなり何のツテもないまま、よっぴーさん・まりんさんの主宰する「オヤトコ発信所」に連絡をしてしまいます。
「よっぴーさんに、どうかお話を伺いたい!」という突然のお願いを、おふたりは快く引き受けてくれたのでした……。

迷っている人が選択すればいいじゃないですか!」

私には4歳と2歳の子どもがいるんですが、コロナの影響である日突然、幼稚園がストップしてしまって……。
先々が不安になる中で、親が子どもにこれからしてあげられることは何だろう……と悩んでいるんです。

うんうん……。(優しく頷いてくれる)

しかもですね。
この先、この環境が続いて子どもたちが学校へ通うとなると、オンライン教育の地域格差なども気になって……。

従来の学校に通わせること自体にも、不安を感じるようになりました。

うんうん……。(優しく頷いてくれる)

(※最初は緊張しすぎて、私が一方的にしゃべり倒してしまいました……)

よっぴーさん・まりんさんは、現在オンラインコミュニティ「お母さんのじかん365」を運営しているそうですが……やっぱり、私と同じ悩みを持つ方は多いですか?

……多いのかな~? でも確かに、その様なご質問はいただきますね。

コミュニティには色んな方がいて、子どもが学校へ通っている人・子どもが学校に行かないという選択をした人・未就学児から高校生の子どもを持つ人までいます。
その中で、今回のコロナを受けて「みんな家で何してるの?」とか「うちはこんなことしているよ~」とか、井戸端会議のように気軽におしゃべりしていますね。

“相談”や“話し合い”じゃなくて、普通の“おしゃべり”ですか?

そうなんです!
参加する方それぞれの価値観を、そのまま共有しています。
例えるなら、「うちはトマトに砂糖をかけるんだ~」「うちは塩~!」「うちは何にもかけないよー」「トマトは嫌いだから食べなーい」といった風に(笑)

また、コミュニティの他にも、オンラインスクール「オヤトコ学校 いい舟」を主宰しています。
ただしここでも、私たちが何かを教えている訳ではなくて、「一緒に勉強し合いましょう」という感じです。

あくまでも“共有”と“学び合い”なんですね!

よっぴーさんが直接、悩んでいる方にアドバイスなどはしないんですか?

やりかたは、迷っている人が選択すればいいじゃないですか!

様々な感性やアイデアに触れて「それ良さそう!」とか「うちもいっぺん取り入れてみよう!」とか、自分の感性にビビッときたものがあると思うのね。
それを自分の家流にアレンジして、やってみた結果をまたシェアし合うんですよ。

何が正解なのかは、自分で選んでいいんだ!

メンバーそれぞれ持っている答えが違うから、それがたくさん聞けるのはすごく貴重だと思いますよ!

私、そういう“おしゃべり”ができる場にほとんど属していなくて……。
フリーランスの在宅ワーカーですし。人見知りですし。ネットばかり見て過ごしていますし……。

子育てって、ただでさえ「子どもを守りたい!」という強い意識が働いて視野が狭くなりがちなので、オンラインコミュニティやスクールによって多様な価値観を知ることができたら……ずいぶん気持ちが救われると思います。

コロナで閉塞的にはなっているんだけれども、一方で、開放的な流れも感じています

今でこそ「選択的不登校(=子どもが自ら学校へ行かない選択をして、自学したりオルタナティブスクールへ通ったりすること)」が当たり前のようになりましたが、当時はまだまだ新しい試みだったと思うんです。

でも、コロナもあって、近年は教育の多様性がますます見直され始めている気がして……。

よっぴーさんとしては、「学校に通わない」という選択やオルタナティブスクールが年々広まっていると感じますか?

……確かに。周りの意識は変わってきたように思います。

近年はインターネットを通じて疑問を調べることが若い人にとって日常化しているので、子育てや教育に関しても多様な意見を知ろうとする人は多くなったと思いますね。

コロナで閉塞的にはなっているんだけれども、一方で、従来の固定観念を打ち破るような開放的な流れも感じています。

コロナは脅威ですが、これまでなかなか変えることができなかった子育てや教育を少しでも良い方向へ変えてくれる存在になるなら……子どもたちの未来にも希望が持てます!

いざ自分の子どもが不登校をした時、親御さんが動揺されるのは当然です。

でも、以前から「不登校という選択肢がある」ということだったり「学校に通わなくてもホームスクーリングやフリースクールやオルタナティブスクール……いろいろあるよね」ということを知っているだけで、意識が変わってくると思うんです。

ほんのちょっと前までは、まったくそれが認知されていなかったから……。
ゆっくりだけど、ちゃんと色んな選択肢が広まって、周りの認識が変わっていってるようです。

私も、よっぴーさん・まりんさんの著書を読んだことで、「学校に通わなくても大丈夫なんだ!」「学べる場所は、学校以外にも色んな所があるんだ!」という新しい選択肢を得ることができました。

そうそう! 学校以外にも居場所があるんだということを知っておくだけでも違いますよね。
選択肢があるのと1つしかないのとでは、全然違う!

日数でできるはずの勉強を、12年間かけてさせられていたなんて……

今回、改めて著書を読み直しまして……。

やはり何度読んでも、「憲法には『子どもに教育を受けさせる義務』はあるけれど、『子どもが学校に行く義務』なんてなかった」という気づきが一番インパクト大でした。
どうして今まで調べもせず「子どもは6歳になったら学校へ行くもの・行かせるもの」と思い込んでいたのか……。

本当に、それを知っているのと知らないのとでは……ね。

文科省がもっとそこのところを言ってくれればいいんだけれども……。

本当ですよね(苦笑)

あと、まりんさんの受験勉強についても、いまだに驚きを隠せません。
算数は20時間、数学は12時間で習得しているなんて!

子どもの頃は「学校へ通わないと勉強が遅れる」と信じて、必死に通っていたのに……。

ねー♪ 

2か月半前には“7+8”を指で数えないとわからなかった人が、目の前でsin(サイン)cos(コサイン)なんて問題を解いているんですよ!
私自身も、実際に目の当たりにして……すげーなぁって(笑)

(大笑)

私、そこを読んだ直後に「あれ? 学校って、何のためにあるんだっけ?」と思ってしまいましたよ。
もちろん、学校が好きで必要な子もいるんでしょうけれど……。

実は私も、学校のルールに疑問を持つことが多い子どもだったので……当時から「学校へ行かない」という選択肢が欲しかったなぁ~なんて。

……そっか。本当にそうですよね。

ほんのちょっとの日数でできるはずのことを、12年間かけてさせられていたということに、当時の私も驚きました。

こんな不都合な真実を知ってしまうと、親としてはますます学校や教育に不安を感じてしまいます。
せっかく選択の多様性に希望を持ったばかりだったのに……。

なんだか話が最初に戻ってしまいましたね(汗)
ああ、これから子どもたちをどう育てていけばいいんだろう……。

「子ども」を一括りすることは、できない

答えはね、人それぞれ異なってくると思うのね。

例えば、「子ども」って言っても、1歳も子どもなら14歳も子どもだし、住んでいる所も違えば親も家庭環境も全てが違う訳ですから。
「子ども」を一括りにして答えることは、私にはできない。

確かに……。(深い頷き)

「子ども」と一括りにしようとする固定観念が、私の中にまだありました。

でももし、さいめぐさんのお姑さんが、まるで全てを知っているかのように「これからの嫁に求めることとは~」なんて人前で言っていたら……さいめぐさんだって「いやいやいや、“嫁”って一括りにしないでよ!」って感じでしょ?

……はい。(納得)

それをいざ子どもの立場になって親子に置き換えて考えた時に、「これからの子どもは~」とか言ったところで、子どもだって「おいおい、そんなの人それぞれじゃん!」って思っちゃうから……。

さいめぐさんのお子さんも、4歳と2歳でそれぞれに必要な言葉掛けや対応が違うと思うんですよね。

……はい。(完全に腑に落ちた)

前半の感想・まとめ

子育てって、明確な答えがないからこそ難しいもの。
しかし、いざ不安に駆られると、誰かに1本の“指針”を示してもらいたくなってしまいます。

取材を始めた直後の私は、まさに「よっぴーさんの言うことを聞くから、助けて! 今の不安を取り除いて!」と言った状態……。

しかし、そんな私によっぴーさんは「いやいや、子どもってそれぞれ違うから……」と冷静に、優しく語りかけてくれました。

コミュニティなどを通じて、いろんな人の子育てアイディアを聞いて、多様性に気づくことができれば、それだけでずいぶんとプレッシャーから解放される気がします。

また、その多様性の中には「公的な学校へ行かない」という選択肢があってもいいのだと、不登校は決してネガティブな感情でのみ選択するものではないのだと、改めて知ることができました。

「自分の子どもは将来、どんな学び方(≠勉強方法)を選択していくんだろう……」

学ぶとは、遊ぶと同意だったり、生きると同意だったり。広い意味での「学び」です。

わが子がどんな選択をしても、彼らなりのワクワクを見つけてほしい。
それを全力で面白がって応援する親でいようと思いました!

では、また次回!(後編へ続きます)

参考リンク

記事の中で触れた、よっぴーさん・まりんさんによるコミュニティや書籍などを一覧にまとめてみました!

子育てのアイディアが欲しい方・「学校以外の学び場」に関心がある方にはぴったりだと思います。

ぜひ、アクセスしてみてください!

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