本日は、JFRカード株式会社・二之部守社長とご縁を繋いでいただき、「クレジットカードの未来」について学びなおし。
2021年、大丸松坂屋のクレジットカードが新しく生まれ変わり、より便利で使いやすくなったということで、なんと社長から直々にリニューアルの背景やこだわりを聞くことができました。
時代は今、まさに”キャッシュレス戦国時代”。
Suica・スマホ決済・仮想通貨まで、続々と新たな決済手段が出ています。
そんな中で、まずは「J.フロント リテイリンググループは今後、どのように進化していくのか?」を根掘り葉掘り聞いてみることに……!
二之部守さんとは?
- 1986年3 月、東京大学 文学部 卒業
- 1991年5 月、ニューヨーク大学経営大学院 MBA 修士課程修了 ファイナンス専攻
- 1986年4 月、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル日本支社入社
- その後、住銀アメックス・サービス株式会社 代表取締役副社長、アメックス・カード・サービス株式会社 代表取締役社長、アメックス・プリペイド・カード有限会社 取締役などを歴任
- 2007年9月、リシュモン・ジャパン株式会社 カルティエ・リテール本部 本部長
- 2018年3月、JFRカード株式会社 代表取締役社長 兼 J.フロント リテイリング株式会社 執行役(現職)
- 2006・2007年、明治大学ビジネススクール・グローバルビジネス研究科兼任講師「異文化コミュニケーション」担当
(人生が華やかすぎて……眩しい!!)
「地域とともに成長し、共生する。」という戦略でやっています
二之部さんは、JFRカード株式会社の代表取締役社長だけではなく、大丸松坂屋を始めとするJ.フロント リテイリングの執行役員も務めていらっしゃいますよね。
まず、大丸松坂屋についてなんですが……つい先日、衣料品のサブスクリプションサービスについてのニュースを見たばかりで。
月額1万円とちょっとで、ハイブランドのお洋服が3枚もレンタルできるとは驚きました。
トップス1着だけでも5万円以上、中には10万円超えのワンピースまで、それがネットで気軽にレンタルできるなんて……!!
ありがとうございます。
これは1つのモデルチェンジの形です。
コロナ以前から、J.フロント リテイリングでは、店頭で商品を並べて販売というビジネスモデルだけではなく、いろんな展開を図っています。
例えば、「GINZA SIX」での賃貸業。
百貨店の運営ではなくて、商業施設に土地を貸したりプロデュースしたりといったモデルチェンジもやっていますよ。
そういえば、「GINZA SIX」は松坂屋銀座店の跡地を利用して建てられたビルでしたね。
そうですね。
全国のいい場所に土地や商業施設を持っているのが、グループの強みです。
持っている不動産・商業施設を開発するノウハウ・百貨店で培ってきた小売りだけではないサービス・取引先とのお付き合い、それらを生かして新しく商業施設をプロデュースしていくことを今後もやっていきます。
失礼ですが……。
私、ショッピングは今もっぱらネット派なんです。
子育てもあって、ほとんど店舗に行けなくて。
そんな人は、コロナもあってますます増えたような気がするんですけど……それでもさらに商業施設をプロデュースというのは、その、大丈夫なんでしょうか?
(※経営したことないくせに……。でも、どうしても、気になってしまいました)
グループでは、不動産やビルを地域ごとに固めて持っています。
例えば、名古屋の栄地区には、松坂屋のビルが3棟あります。
さらに今後、名古屋市と共同で松坂屋の跡地にビルを建てて、オフィス商業施設を開発するんですけど、そのビルもすぐそばにあるんですよ。
「地域とともに成長し、共生する。」という戦略でやっています。
(ビジネスの視野が、店舗を超えて地域という……想像よりはるかに広大だった!)
顧客が1か所で買い物をして、さらにその周辺でも買い物をして、地域全体が盛り上がるという流れですね!
その通りです。
「グループの“お得”をお客さまに届けたい」
顧客が複数の店舗で買い物するということは……。
やはり利用者の立場からすると、支払い方法が共通しているほうが便利ですよね。
そうですよね。
なので「大丸松坂屋カードを持っていると、どこでも使えるし、お得だよね!」と。
そうお客さまに感じていただく役割を、うちはカード会社として担っています。
そのコアとなるのが、今回導入したQIRA[キラ]ポイントです。
大丸松坂屋カードにも、ポイントプログラムがあるんですね!
やはりポイントは、お客さまにとって、決済手段を選ぶ意思決定の大きなファクター(要因)になっていると思いますので、力は入れていますね。
「グループのお得をお客さまに届けたい」という思いで、始めました。
私、ポイントをコツコツ貯めるの大好きです!
それから、大丸松坂屋カードを持っていることで使える「優待サービス」も、すごく気になっちゃいました!
野菜のお届け・ファッションタイプ診断・コスメダイニング・じぶんdeエステ……どれも魅力的。
百貨店での買い物もそうですけど、子どもを産んでからはコスメカウンターやエステなんて、さっぱりなので(苦笑)
こちらは、ラグジュアリーなサービスばかりですね!
ラグジュアリーっていうのは、あんまり意識していないんですね。
どちらかというと、30代40代の女性をターゲットに絞って、その方たちが綺麗になるとか健康になるとか。
しっかり自分のためのメンテナンスをしていく、そういうニーズに応えていこうと。
(いや~普段、家族中心で自分のことが二の次な私たちにとっては、「自分のためのメンテナンス」はもうすでに贅沢。最高にラグジュアリーですよ!)
そうでしたか。
言われてみると、確かに「人間ドック優待」もあって、女性の美容と健康をトータルにケアできるサービスばかりですね。
そうですね。そこを狙っています。
これからもっと、そういうサービスを追加していきたいと思っていますよ。
女性だけに限ったことじゃないですけれど、年齢を重ねても充実した暮らしをするとか、生涯に渡って安心して過ごすとか、そういった所にフォーカスを当てていきたいなという考えです。
それは、嬉しい!
「気軽に声をかけていただけるような会社になろうとしています」
(資料を見ながら)では、このQIRAフィナンシャルラウンジっていうのも、女性の暮らしのサポートの一環ですか?
そうです。
今、コロナの緊急事態宣言もあって、あまりやりたいことがやれていないんですが。
ここでは、女性と限定せずにお客さまの色んな「人生の悩み」とか「暮らしの安心安全」だとか「将来への安心」だとか。
そこの相談に乗っていく場所にしていきたいなと思っています。
それって、FP(ファイナンシャルプランナー)のようなイメージですか?
最終的には、そうなると思います。
でも、FPが行うことだけではなく、「がんセミナー」とか「個人事業主のための節税方法」とか。今やろうとしているのは、「ウォーキング教室」など。
そういうことをやっていきたいなと思っていますし、情報発信したいですよね。
また同時に、「最近、膝が痛いんだけど」とか「将来、親の介護が心配だ」とか、些細な相談にも乗れるような。
かなりプライベートな部分まで相談できるんですね。
なので、個室もあって、しっかりプライバシーを確保しながら。
一方で、デジタルツールも使って遠隔での面談を行ったり、セミナーをライブ配信したり、ということも考えています。
(百貨店のカード会社が、ここまでしてくれるなんて……!!)
「物を売る」だけじゃないんですね。
商品って、それそのものに意味はなくて、単なる道具だと思っているんですよ。
うちの場合は、クレジットカードを提案することで、お客さまの家計管理のお手伝いができたり、将来の心配事を解消したり、そういうミッションになってくると思います。
確かに、買い物を楽しむには、それ以前に健康でお金に余裕がないといけませんよね。
そうですね。
ですから、ここからますます、お客さまに安心して気軽に声をかけていただけるような会社になろうとしています。
前半の感想・まとめ
百貨店=買い物。クレジットカード=決済手段。
それ以上の意味を考えて来なかった私にとって、二之部さんの広い視点は大きな驚きでした。
私たちの地域や暮らしを丸ごとサポートするような巨大なプロジェクトを、老舗百貨店が進行中だったとは……!!
後編では、ここからさらにクレジットカードにフォーカスし、「リニューアルした大丸松坂屋カードのメリット」や「クレジットカードが他の決済手段より優れている点」について聞いていきます。
では、また次回!(続きへ)